① 「頭がいい」とは何か。暗記ではなく応用力
僕は多くの人から「頭がいいですね」と言っていただくことがありますが、日本地図は全く覚えていません。一緒に教育の仕事をしている経営者も同じことを言っていました。では、日本地図を完璧に覚えている小学生のほうが賢いのかというと、少し違う気がします。つまり、いろいろ覚えていること=頭がいい、ではないのです。
頭がいい人とは、問題が起きたときに瞬時に解決できる人、論理的に組み立てられる人、新しいことの理解が早い人。これらの能力に共通するのは応用力です。数学の難しい問題も、基礎をどれだけ応用できるかを試されています。だから応用力さえつけば頭は良くなる。それを世界で一番できているのがユダヤ人です。人口は世界のわずか0.2%なのに、ノーベル賞受賞者の約2割を占めている。これだけ長く成功し続けているのはラッキーパンチではなく、彼らだけが持っている考え方があるはずだと僕は思いました。
その秘密は教育にありました。迫害の歴史の中で、命もお金も簡単に奪われるなら、お金ではなく「どんな状況でも稼げる能力」を残そうという発想になり、教育特化型の民族になった。だから、どんな状況にも応用の利く本当の意味の頭の良さを手に入れていったのです。僕自身は勉強が苦手でしたが、19歳でこの教育のやり方を知り、受け続けた結果、半年で独立できました。才能ではなく、知っているか知らないか、それだけの差です。
② 理由1:テクニックではなく「原理原則」で学ぶ
19歳で最初に習ったのがこれです。学習には2つのパターンがある。テクニックで覚えるか、原理原則で覚えるか。テクニックとは、時代や場所や人によって結果が変わるものです。「この製品をAmazonで買って、そのままメルカリで売れば1,000円の利益が出る」。今は使えても、30年後に同じように使えるでしょうか。ユダヤ人はこういうことを子どもに教えません。
原理原則とは、誰がいつどこでやっても全く同じ結果になるもの。ペンを手から離せば、誰がやっても、どこでやっても、10年前でも明日でも、必ず下に落ちます。これくらい強烈な定義づけが原理原則で、言い換えれば本質です。ユダヤには子育て、学習、結婚、コミュニケーションと、あらゆる原理原則が大量にあり、この本質ベースの学びをずっと受けているから、応用の利く人間になっていきます。
③ 理由2:教えるステップが異常に早い(学校で学んだことを毎日親に解説する)
学習の原理原則の中に「人に教えなさい」があります。動画では、人の脳は忘れる生き物で、48時間で新しい学びの70%以上は消えると言われている、人に教えると記憶の定着率が90%以上になると言われている、と話しています(出典は示していません)。だからユダヤの学習の原則には、新しく学んだことをすぐ誰かに教えなさいというものがあり、ユダヤ人は学校で勉強した内容を、家に帰って親に解説する時間が毎日必ずあります。
ただ、教えるステップを挟む理由は記憶の定着だけではありません。もう一つ大切な理由があります。教えるたびに理解力が上がり、本質に近づくのです。教えていると、自分があまり理解できていない箇所が分かる。相手の表情を見れば、伝わっていないことも分かる。だから「ここを復習しよう」「もっといい例え話はないか」と頭を使い出す。それが積み重なると、Aで教えたことと、Bで教えたことと、Cで教えたことが「同じことを言っていないか」と分かってきます。勉強で点数が異常に伸びる時期は、点と点が本質で1本の線になった瞬間だと言われるのと同じです。僕は組織を作り社員を教育する過程で、教える作業を異常な回数こなした結果、共通項が全部見えるようになり、応用が利くようになったのです。
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④ 理由3:目的思考(「その質問の目的は何?」と問い返される環境)
目的思考とは、目的が明確になればなるほど、途中過程が明確になるという考え方です。明日のテストの科目が分からなければ、今日何を勉強すべきか分からない。数学だと分かれば今日やることは決まり、出る範囲が分かればさらに細かく決まる。単純な話なので、僕も最初に学んだときは半分ばかにしていました。しかし時間が経つにつれて、自分がいかにできていないか、いかに大切かが分かりました。
僕は教育の仕事で何千人、何万人という人にアドバイスしてきましたが、売上の大きい経営者でも、目的思考を習得している人はほとんどいませんでした。思考力の講座で外資系企業の入社問題「エリザベス女王が来日し、あなたは料理を振る舞う役目を与えられました。どうしますか」を出したところ、多くの経営者が答えられませんでした。目的を明確にしていけばやることが明確になり、自分で考えて答えを出せばクリアという問題ですが、目的思考が身についていないからです。
身につけ方は、目的思考の人のそばにいることです。ユダヤの人に何か質問すると、「その質問の目的は何?」と必ず聞き返され、答えると「さらに具体的な目的は?」とまた返される。この問答を延々とやるので、最初は一切質問に答えてもらえません。その環境に強制的にいたので、僕は目的を明確にする癖がつきました。会社のスタッフにも質問されるたびに「その目的は?」と聞くので、みんな目的思考ができるようになっています。
⑤ 理由4:具体的な想像力(抽象を自分の事例に落とす=ハブルータ)
応用が利く人は、教えられたことを具体的に想像する力が高い。教えられた抽象的なことを、自分の具体的な事例に落とし込むということです。目的思考を教わって「そういう考え方があるんだ」と受け止めるだけなら、想像力はまだ低い。想像力の高い人はこう考えます。「この前、会社で資料を作れと言われて困った。上司への説明用か、お客さんへの販売用か、社員向けのマニュアルかで作り方は全然違う。最初に目的を聞けばよかったんだ」。自分の具体例に当てはめて理解しようとすると、原則の理解のスピードが数段上がります。
ユダヤの子どもはこの練習を3歳からエンドレスでやらされます。その練習方法がハブルータです。学んだ原理原則を自分の具体的な事例に落とし込んで、誰かに教えたり議論したりする。僕の講座でも、学んだことについて「具体的な事例を3つ出してください」とやってもらいます。3つ出すと「これにも使える、あのときも使えた」と理解が深まり、応用の利く頭が少しずつ完成していきます。何かを学んだら「自分で言うと、具体的にどういうときに使えるだろう」と考える癖をつけてみてください。
⑥ 理由5:自立思考(正解は外部に存在しない)
世の中の大半の人は正解を外部に求めようとしているけれども、正解なんてそもそも外部には存在しない。ユダヤの先生の言葉
自立思考とは、正解を自分で作り出す思考です。ユダヤの教育の3つの大原則の一つに数えられるほど重要なものです。僕のところには「何に投資すればいいですか」「何のビジネスをしたらいいですか」という質問がよく来ますが、答えは人によって全く変わります。持っている資金、人脈、生まれ育ちによって最善策は変わる。僕が去年やったビジネスは初期費用のかかるもので、資金も人脈もない初心者に教えても、その人にとっての最善ではありません。絶対的な正解があるのではなく、自分にとって最善の正解は自分で作っていくしかない。その能力が自立思考です。
多くの人がこれを苦手なのは、日本の教育が原因だと僕は思っています。国語の授業で「このときの気持ちを答えなさい」という問題がありました。本来、正解などあるはずがなく、自分で考えてある程度の答えが出せていれば正解でいいはずです。しかし日本のテストは出題側が正解を作っている。そんなテストばかり解いていると「答えは外部に存在する」という思考になり、自分の中で正解を作る思考が育ちません。原則を理解した後は、自分で具体的な事例に応用して作り出していくしかないのです。この瞬間から「外部に正解はない。正解は自分で作るもの」と思い込んでください。
⑦ 桁違いに賢くなる習慣3つ:恥を捨てる・目的を書く・自分を追い詰める
動画「桁違いに賢くなれた三つの習慣」では、学習する内容以前に学習のやり方を知ることが大事だと話しています。1ヶ月で一番遠くに行った人が勝ちというゲームで、すぐ自転車で漕ぎ出す人と、1週間かけてバイクの免許を取ってから走り出す人、どちらが勝つか。最初の1週間は負けていても、後者が必ず勝ちます。
恥ずかしがる人は、決して良い生徒にはなれない。ユダヤの格言
習慣1:恥ずかしいという気持ちを捨てる。英語の授業で、海外で通用するような発音で話すのは恥ずかしかったはずです。でも通用するのは、恥ずかしがらずに言うほうです。僕もボイストレーニングでプロのアナウンサーに「チェストボイスで話してみてください」と言われ、下手だと思われるのが怖くて最初は思い切りやれませんでした。何回もやらされ、恥ずかしさを振り切ったら「できています」と言われた。本来60点はできていたはずなのに、恥ずかしさが20点、30点のパフォーマンスにしていたのです。教えるのが苦手な生徒に「自分はもうプロの先生だと思い込んでやってみて」と恥を消してもらったら、それ以降、格段にうまくなりました。
習慣2:学習のたびに目的を書く。学校の授業で「今日はこれを学んで帰る」と毎回意識していた人はほとんどいません。だから寝る前に「今日の授業は結局何だったっけ」となり、その習慣が今も続いています。交流会で全員に目的を聞いたら「なんとなく来た」という人ばかりで、主催者によれば、そういう人はほとんど何にも繋がっていないそうです。目的を持たない学習は成果を生みません。「この3つだけは絶対に覚えて帰る」と書いておけば、その話になった瞬間にスイッチが入ります。
習慣3:自分を追い詰める。人は追い詰められると頭がフル回転します。僕の講座で、あえて手を挙げていない人に当てると、全員が2、3秒で必ず答えます。僕にユダヤのことを教えてくれた人は、「質問はあるか」と聞かれたら、何も思いついていなくても必ず最初に手を挙げるという習慣を続けていました。当てられたら答えないといけないから、高速で「この場でどんな質問が最も良いか」を考える。その人は質問の天才になりました。僕がやっているのは、返金保証つきの何百人規模の講演会に内容を一切考えずに臨むことです。始まる15分前に頭が高速回転し、どんどん内容を思いつきます。ただし追い詰めすぎると精神を病んだり、かえって効率が下がったりするので、バランスは大事です。
⑧ 土台にあるもの:常識を疑い、「なぜ」を考え続ける
動画「常識の鎖を破壊する」では、土台として常識を疑うことを話しています。ユダヤ人のアインシュタインは「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションである」と言いました。常識は環境によって人それぞれで、育ってきた環境の常識を疑わないのは、自分の頭で何も考えていないということです。
成功者は常識の鎖に囚われるのではなく、常識の鎖を破壊していく人たちだ。ユダヤの格言
必要なのは、全てを否定することではなく、「なぜ遅刻してはいけないのか」「なぜ部下を叱る必要があるのか」となぜを自分の頭で考え続けることです。ハブルータでは「アリとキリギリス」を読んでも「アリのように働きなさい」で終わりません。キリギリスを突き放したアリは本当に正しいのか、楽しく生きる点ではキリギリスが上ではないか。いろいろな視点で議論するから、一つの見解に縛られない発想が育ちます。→ 思考の型は ユダヤ式思考法 へ
- 【知れば誰でも賢くなる】ユダヤ人の天才思考を5つ解説(YouTube「ゆだしん」)
- 【徹底解説】天才ユダヤ人が桁違いに賢くなれた三つの習慣(YouTube「ゆだしん」)
- 【常識の鎖を破壊する】天才ユダヤ人が持つ圧倒的思考力を解説(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。
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