① ユダヤの親は答えを教えない。「どこへ行くと思う?」と返す
子どもはよく質問をします。「パパ見て、アリさんが歩いてる。このアリさんはどこに行くの?」。このとき、ユダヤの子育てで一番やってはいけない答え方が、「アリさんはね、巣に戻っているんだよ」と答えを教えてしまうことです。答えを教えると、子どもは自分で考えることをしなくなります。さらに、親が持っている知識以上のことを習得できなくなってしまいます。
では、どう返すのか。「どこに行くと思う?」「どうやったらその答えが分かるかな?」「どこに行ったら調べられそう?」。答えそのものではなく、答えにたどり着く方向を示す質問をします。すると子どもは「じゃあアリさんがどこに行くか見てみる」「図書館でちょっと調べてみる」と言い出し、自分で考えて答えを探しに行く行動を取るようになります。
その結果、親が知らない知識まで子どもが持ち帰ってきます。動画では、アリの卵の話をしています。アリは、巣に水が入っても卵が死なないように、卵を一番下ではなく、下から2番目や3番目の段に置いている。そんなことは親も知りません。答えを教える代わりに質問をすれば、子どもは親の知識の外側まで自分で取りに行けるようになります。
だから、まず親が自分自身にルールを課します。「質問には答えない。答えはあくまで子どもが考える。親がしていいのは、こちらから質問することだけ」。「あなたはどう思うの?」。これだけです。
② お茶をこぼした子に、親は代わりに謝らない
もう一つ、動画で繰り返し話している場面があります。ユダヤの子どもがお店で走り回って、他のお客さんのテーブルに熱いお茶をこぼし、その人の足にかかった。相手は当然怒ります。日本の親なら「すみません」と自分が謝って、子どもに「あんたも謝りなさい」と言うところです。
ユダヤの親はどちらもしません。親は謝らないし、子どもに「謝れ」とも言わない。子どもを呼んで、耳元で「こういう時はどうしたらいいの?」と聞きます。子どもが怖がって最初は謝れなくても、「どうしたらいいの? 考えてごらん」と言い続けます。自力で「謝る」という答えを出せたら、謝らせて終わり。どうしても謝るという結論にならなかったときだけ、親が参考材料として「こういう時は謝って許してもらうんだよ」と教えます。
そして子どもが「ごめんなさい」と言えて許してもらえたら、最大限に褒めます。「悪いことをして謝るのはすごく難しいことなのに、それができた君は本当に素晴らしい。自分でよく考えて頑張ったね」。自分の頭で考えて、自分で行動したことが正しかった。この参考材料が体験として大量に入るから、子どもはどんどん自分の頭で考える癖がついていきます。動画では、これを「日本の答えを教える教育とは真逆」だと言っています。家庭での実践の全体は ユダヤ式子育て にまとめています。
③ なぜ答えを教えないのか:正解は外にあるのではなく、自分で作るもの
答えを教えない理由は、ユダヤの子育ての3つの柱の一つ、自立思考を鍛えるためです。自立思考の定義は「自分で正解を作っていく力」。自分の頭で考えて行動できる人のことです。
世の中に、全員に当てはまる正解はありません。動画では「何の株を買えばいいですか」という質問を例にしています。未来のことだから正解はないし、人によって条件も違う。ある投資が最初に1億円かかるなら、今から始めようという人にとっては正解になりません。人によって何が正解かは全部変わる。だから、正解はないという事実を認識した上で、自分にとって一番の正解は何かを自分で作り出す。これが自立思考です。
ところが多くの人がこれを苦手にしています。学校で「正解は外の世界にある」と教えられてきたからです。国語のテストの「作者の気持ちを答えなさい」には本来正解はなく、自分の頭で考えて書いたものが正解になっていいはずなのに、誰かが決めた正解以外はバツにされる。こうして「自分で考えたものではなく、誰かが思っていることを答えないと正解にならない」と思い込んでいきます。
自立思考がないとどうなるか。誰かに何か言われない限り前に進めなくなります。そして、自分で答えを出したという気持ちが少ないので、人のせいにする人になります。「先生があの高校に行けと言ったから行ったのに、全然楽しくない。あの先生は最悪だ」。就職でも同じで、自分で最終判断をして入ったという気持ちが少ないと、すぐ辞めてしまう。逆に、自分で選んだ道だと思えていれば、想定外の痛みが来ても耐えられます。考え方の鍛え方そのものは ユダヤ式思考法 で扱っています。
答えを教えない教育の、先にある原理原則を動画で。
公式LINEに登録した方へ、ユダヤの原理原則を7つのテーマに分けた集中講義(動画・全7講・仕事と学びの原則が中心)をその場で無料でお届けしています。
友だち追加だけ・無料。配信は1日1通まで。ブロックでいつでも解除できます
④ 神光がユダヤの先生に受けたのも、質問返しばかりだった
この「答えを教えない」は、子どもだけに向けたものではありません。神光(ゆだしん)がユダヤの先生に受けた教え方も、まったく同じでした。
ビジネスの質問をします。「こういうビジネスを今考えているのですが、先生はどう思いますか」。返ってくるのは「君はどう思う?」。「いや、それは考えた上で聞いているんです」と言っても、「でも、君はどう思うの?」「君だったらどうする?」。こればかりだったそうです。正直、最初は「ひどいな」と思ったと話しています。
けれど、そのおかげで自分で考える力が数十倍強くなった、とも言っています。先生は徹底していて答えは言わない。するのは常に質問返し。これを続けるうちに絶対に鍛えられていくから、親も「答えを言わない」をルールにして徹底的に守ってほしい、というのが動画の結論です。
神光自身も、部下から「Googleで調べたら5秒で分かること」を聞かれたときは、「それはどうやったら分かると思う?」としか言わないそうです。すると相手は「Googleで調べたら分かりますね」と自分で調べ始め、調べる癖がつき、自分で物事を解決していけるようになる。答えないほうが相手のためになる質問がある、ということです。
⑤ 全てに疑問を持つ。分からなくても手を挙げる
質問で返される側の子どもには、何が育つのか。動画「3歳から実行する成功習慣」では、ユダヤ人が3歳から仕込む習慣の一つ目として「全てのことに疑問を持つ」を挙げています。人は疑問を持った分野しか成長しません。野球をやっていない人は「どうやったら野球がうまくなるか」を考えないので上達しない。甲子園に行きたくて毎日考えている人は、うまくなる方法をどんどん思いつく。疑問を持って自分で答えを見つけていく思考パターンを、ユダヤでは自立思考と呼び、3歳から繰り返して習慣にしています。
この習慣を磨く方法として、動画では2つを挙げています。
- 積極性を持つ。神光が講座で「分かる人、手を挙げて」と言っても、手はほとんど挙がりません。そこで、あえて手を挙げていない人に当てると、1秒か2秒で答えが出る。「なぜ手を挙げなかったの?」と聞くと「分からなかったので」。けれど今、答えは出た。つまり、答えざるを得ない状況になれば人の頭は回ります。分からないから手を挙げないのではなく、分からなくても手を挙げる。当てられたらどうしようと思って、考え出すからです。
- 考えることを放棄しない。小学6年生の問題は今なら簡単でも、当時は苦しかった。人は分からないことをしんどいと感じ、そこで考えるのをやめてしまいます。でも人は追い詰められたときこそ頭が回る。だから途中で諦めず、必ず自分なりの結論まで出す。間違っていても問題ありません。出さずに諦めるほうが何も得られない。自分の答えを一つ出してから、世の中的にどうなのか、詳しい人から見てどうなのかを後で聞けばいいのです。
親が答えを教えず、子どもが疑問を持ち、自分で答えを出す。この往復が、ユダヤの家庭で毎日続いています。
⑥ 答える側の力:答えるか決める → 目的を聞く → 現状を把握する
ここまでは「答えない」側の話でしたが、ユダヤでは質問に的確に答える力も絶対につけなければいけない、と教えられます。理由は「人は安心したいから」。質問への回答が的外れだったり長かったりすると、それだけで「この人は理解していないな」と判断されてしまいます。
動画では、回答が下手になるパターンを2つに分けています。一つは的外れ。「今日の朝ご飯は何を食べたの?」に「僕、朝はバナナが好きなんですよね」と答えるようなもので、聞かれたことに答えていません。営業チームの部下に「今日、成約は取れたの?」と聞いたら「いい感じで、次のアポが決まりました」と返ってきた実例も話しています。もう一つは内容が薄い。「話が長い」は時間の問題ではなく、内容の濃さとの比較です。中身が濃ければ30分でも短いと感じてもらえ、薄ければ1分でも長い。
的確に答えるための3ステップは、次の通りです。
- ステップ1:答えるか、答えないかを決める。ユダヤの格言に「全ての質問に回答する必要はない」とあります。答えないほうが相手の成長になる質問(調べれば分かること)もあれば、答える意味がない質問もあります。
- ステップ2:相手の目的を明確にする。「ユダヤの原則を教えてください」と言われても、その人にとっての成功がお金なのか、人間関係なのか、時間なのか、健康なのかで、話す内容は全部変わります。お金でも、月30万円を100万円にしたい人と、月1,000万円を1億円にしたい人では、答えるべき内容が別です。目的を明確にせずに話すと、関係ないことを教えてしまいます。
- ステップ3:相手の状況を正確に把握する。「収入を自動化したい」という相談でも、従業員がいて任せられないのか、まだ一人で全部やっているのか、投資だけで生活しているのかで、話す内容は全部変わります。神光はコミュニティの質問コーナーで、この現状把握をめちゃくちゃ細かくやると話しています。
加えて、心構えが2つあります。相手が納得するかどうかではなく、正しいかどうかで言うこと。親戚の子が「友達を殴って泣かせた、俺は強いでしょ」と言ってきたら、嫌われても注意するのと同じです。そして、分からない質問が来ても慌てた風に言わないこと。分からないときにやることも同じ3ステップで、慌てずにこなせば答えは見えてきます。
まとめ:答えは「与えるもの」ではなく、質問で「返すもの」
ユダヤの教育で親が手放すのは「答え」です。その代わりに、子どもに質問を返す。「どう思う?」「どこで調べられそう?」「こういう時はどうしたらいい?」。神光は、自分がユダヤの先生から同じことをされて自分で考える力が数十倍になったと話し、自分の子育てもユダヤ人の丸ごと真似だと言っています。その子は7歳のとき、親が一度も「やりなさい」と言っていないのに、英語やピアノや習字を自分からやりたいと言うようになったそうです。ただし、これはうちの子の話で、同じ結果を約束するものではありません。
質問への回答力についても、一朝一夕で身につくものではなく、「ユダヤは座学1割、実践9割」だと動画は言っています。まずは今日、子どもの「なんで?」に一度だけ「どう思う?」と返すところからです。
- 【ユダヤ式】子育ての原理原則part② 子供に〇〇を持たせよ(YouTube「ゆだしん」)
- 【人生を生き抜く必須能力】質問回答能力について徹底解説(YouTube「ゆだしん」)
- 【日本人と真逆】世界一のお金持ちが3歳から実行する成功習慣3選(YouTube「ゆだしん」)
- 【5000年の歴史】ユダヤの成功マインド完全攻略(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。
運営について:ゆだしんとは(何者か・経歴・ユダヤアカデミーの中身を本人が書く)/ユダヤアカデミー(旧 ユダヤ思考ラボ)の評判・口コミ(悪い評判も運営が書く)



