思考習慣とは何か。なぜ日本人は学んでいないのか
人にはどんなことにも癖や習慣があります。毎日歯を磨く習慣の人は虫歯にならず、磨かない習慣の人は虫歯になる。思考も全く同じで、思考の癖や習慣によって結果が大きく変わります。悪い思考習慣がついていれば悪い結果が、良い思考習慣がついていれば良い結果が出る。
残念なことに、日本人は正しい思考習慣を学校や家庭で学ぶことがほとんどありません。それに対してユダヤ人は幼少期から、良い思考習慣を徹底的に叩き込まれます。だから他の民族と比べて圧倒的な結果を出せているのです。ユダヤ人を調べると高学歴ばかりですが、これは才能ではありません。才能なら長い歴史の中でポンコツな人も出てくるはずなのに、ユダヤ人は基本的にみんなうまくいっている。頭を良くするのも、何かで成果を出すのも、才能ではなく原則を知っているかどうか。原則は条件さえ満たせば再現度100%だからです。
ここで言う「賢い」の定義を決めておきます。道筋を立てて問題解決ができる人。数学の問題を順番に解いていくように、生活で問題が起きたときも、どう解決してどこに着地するかを考えて実行できる人です。
習慣① 断片的な情報で判断しない(2種類の情報を持つ)
何か出来事が起きたとき、一つの情報を得ただけで全部を理解した気になり、それが正しいと思い込んで判断してしまう。これが「断片的な情報で判断する」です。なぜいけないのか。別の可能性を考えない思考になってしまうからです。
付き合っている彼女が「昨日、違う男性と歩いていたよ」と友達伝いに聞き、その情報だけで「浮気だろ」とLINEを送ってしまう。後で「弟と久しぶりに出かけただけ」と分かっても時すでに遅し。ネットで誰かの不祥事が流れると一斉に叩くが、後から「家族を脅されていた」と分かると見方が変わる。断片的な情報で判断する人は、そういう可能性を一切考慮しません。経営では最悪です。「このビジネスはうまくいく」と思い込むと、うまくいかなかったときの軌道修正の戦略を持てません。
ユダヤの格言に「相手の立場になったことがないなら、相手を批判する資格はない」があります。理不尽に怒ってくる上司にも、裏でその上司がもっと怒られている、昔の自分のミスを繰り返してほしくない、という言い分があるかもしれない。何か不都合が起きたら一度落ち着いて、様々な可能性をめぐらせる。
具体的な方法は、2種類の情報を持つことです。①精度は低いが早い情報(インターネット。事件の10分後には大量に流れるが、精査されていない)。②精度は高いが遅い情報(書籍。いろいろな機関が精査してから出るので遅いが信用に値する)。この2種類を意識して取るだけで、判断はかなり変わります。
習慣② 戦術ではなく、戦略で考える
戦術と戦略の違いを説明できますか。戦術は短期的な考え方、戦略は長期的な考え方(流れを作ること)です。告白で言えば、告白のうまいやり方やサプライズの場所だけを気にするのが戦術。どういう出会い方をして、どういう言葉遣いをして、どのタイミングでデートに誘い、どこで食事をし、いつサプライズをして、いつ告白するか、という一連の流れを考えるのが戦略。普段の身だしなみが悪くて嫌われていたら、どれだけうまい告白をしてもOKはもらえません。戦術は戦略ありきでしか最大限の力を発揮できないのです。
アメリカのトップコンサルタント、ジェイ・エイブラハムが話しているストーリーがあります。同じくらい能力が高く、同じくらい努力するダイヤ商が二人いた。Aは90万円の利益、Bは20億円以上の利益。差は、Aが戦術的思考、Bが戦略的思考の持ち主だったこと。
世の中の大半の人は戦術のことしか考えていません。僕のところに来る相談も「どうやったらこの製品が売れますか」「Instagramで集客するには」「単価を上げるには」ばかり。理由は、戦略を学べる場所がほとんどないからです。「1ヶ月でうまくいく」という本と「5年かけたらうまくいく」という本、どちらを買いますか。人は短期的にうまくいく情報に飛びつくので、発信する側も戦術ばかりを出し、それを見た人がまた戦術を求める、というループになっています。戦術も大事ですが、長期的に安定して成長したいなら、戦略的思考回路を教えてくれる本や人に早く出会うことです。
思考の原理原則を、動画で。
公式LINEに登録した方へ、ユダヤの原理原則を7つのテーマに分けた集中講義(動画・全7講・仕事と学びの原則が中心)をその場で無料でお届けしています。
友だち追加だけ・無料。配信は1日1通まで。ブロックでいつでも解除できます
習慣③ 2つ以上の問題を1つにしない(思考の分離)
「メイヤーの法則」というものがあります。物事を複雑にするのは簡単だが、複雑なものを単純にするのは難しい。つまりシンプルに考えられるほうがレベルが高い。思考の分離は、シンプルに考えられるようになる思考習慣です。結論は一つ、2つ以上の問題を1つにしない。
ディベートの例です。「小学校にスマートフォンを置くべきか」。賛成派は「小さいころから使えば活用の幅が広がる」。反対派は「導入する費用はどこから出るのか。お金がないから反対」。この時点で、思考の分離ができている人はおかしいと気づきます。スマートフォンが必要かどうかと、予算があるかどうかは別の問題です。必要かどうかが決まっていないのに予算の話をされても進みません。リアル社会ではこういう人が多く、だから会議がまとまらない。逆に思考の分離ができれば、相手の主張と自分の主張のどこが食い違っているかが一瞬で分かり、問題解決のスピードが上がります。
実例:悪口を言われて人が離れたとき
ビジネスがうまくいっていたころ、仲良くしていると思っていた先輩が裏で僕の悪口を言いまくっていて、それを真に受けた一部の人が離れていったことがありました。落ち込んで先生に相談すると、こう言われました。「解決方法は一つしかない。2つ以上の問題を1つにするなよ」。人が離れていったことと、悪口を言われていることは全く別の問題だ、と。
離れた人たちは、きっかけが何であれいずれ離れていた人たちで、「この人たちがいないと成功できない」という依存マインドは捨てなさい。気になるなら、ありがとうというメッセージだけ送っておきなさい。これで一つ目は解決。二つ目、悪口を言われたことについて気にすべきは対応方法だけ。「訴えるぞ」は自分にフォーカスが当たっていて美しくない。「あなたの迷惑行為で周りの人に迷惑がかかっている。ここは皆が成長する場所なので、続けるならやむを得ず除名する」と、周りのために言いなさい、と。問題を分ければ一つずつ対応でき、解決が早くなります。
習慣④ 曖昧さと決別する(定義づけ)
日本人は曖昧なことを好む傾向があります。あえて曖昧にするのは悪くありませんが、物事を白黒つけられないのは別です。賢くなりたければ、曖昧さとは決別してください。曖昧さという巨大な敵に故郷を滅ぼされた、くらい強く思ってほしい。ユダヤ人は曖昧さをとても嫌います。「今日はちょっと暑いですね」と言うと「違うよ、今日は36度だよ」と言い出す。日本人の感覚では気持ち悪いですが、そのくらい物事をはっきりさせます。
理由は、物事が具体的であるほど、自分が何をすればいいかという行動が明確になるから。明日のテストの科目が分からなければ今日勉強する科目は決められず、数学だと分かっていれば決まり、何ページの大問と分かっていればさらに明確になる。曖昧さと決別する癖は、物事に定義をつけることです。「成功したい」と相談されても、成功の定義は人によって違いすぎる。月10万円と月1000万円ではやることがまるで変わります。常に定義づけをして明確にする。これが頭が良くなる最低必須条件です。
習慣⑤ 反抗する精神を持つ
素直はいい子だと言われますが、素直が行きすぎている人は賢くなりません。反抗する精神がないと、自分の頭で考える癖が身につかないからです。理不尽な問題があっても「そういうものだから」と受け入れてしまう。
有名な実験の話があります。穴の中に猿を10匹入れ、はしごを登ろうとしたら全員に冷水をかける。何度も繰り返すと、登ろうとする猿を全員で止める文化ができる。次に2匹を新しい猿に入れ替える。新しい猿は冷水のことを知らずに登ろうとするが、全力で止められる。これを繰り返すと、最終的に誰も冷水をかけられた経験がないのに「登ろうとしたら止める」文化だけが残る。世の中に残っている無駄な文化がどうできるかを示す話です。本当に賢い人は、いらないものは捨てて必要なものを取り入れる。それは「当たり前でしょ」と言われている常識に反抗する精神から来ます。
ユダヤの有名な話に「デボラ」の話があります(動画での呼び名です)。結婚の前日に天使が相手を連れ去ってしまう。二人目も三人目も同じ。三度目にデボラは天使に「聖書には愛する者たちは共にいると書かれている。そんな理不尽をするなら宗教裁判にかけてやる」と食ってかかった。天使は神に相談し、神は「そこまで言うなら返してやりなさい」。三人目の相手は戻り、デボラは幸せに暮らした。相手が神様だろうが誰だろうが、自分にとって理不尽なことは素直に受け入れずに反抗する。そうすることで本当の賢さ、問題解決能力が磨かれます。
習慣⑥ 感情という「乗り物」を乗りこなす
賢い人、問題解決ができる人は、問題が2つ以上あったら切り離して考えられる人です。僕が家族と殴り合いになりそうなほど喧嘩をした30分後に授業があるとして、そのイライラを生徒の前に出していいでしょうか。ダメですよね。喧嘩と授業は別の問題です。しかし多くの人は切り離せません。人間は「理動」ではなく「感動」、理解して動くのではなく感じて動く、感情の生き物だからです。
ここで教わった考え方が「乗り物」です。自転車はあなたではない。自転車が壊れてもあなたが壊れたわけではなく、新しい自転車に乗ればいい。目に見えるものならこれが分かるのに、精神的なものになると分からなくなる。あなたの体は、生まれたときはもっと小さく、外から集めてきたコレクション、いわば乗り物です。感情も、勝手に湧き上がるものではなく、外部の刺激を受けて出るただの乗り物。だから乗り物は、乗られるのではなく乗りこなさないといけない。この話を聞いてすぐに全部乗りこなせるわけではありませんが、「感情に乗られてはダメだ」という意識が出るだけで、感情のコントロールができていきます。
土台:幸せは感情ではなく「概念」。今あるものに焦点を当てる
ユダヤ人はお金を稼ぐイメージが強いですが、お金を稼ぐ前に「幸せとは何か」を徹底的に叩き込まれます。僕もユダヤの先生に会ったとき、早くお金のことを教えてほしいのに幸せの概念ばかり教えられた時期がありました。幸せを感じる土台がなければ、どれだけ稼いでも幸せになれないからです。年間3億円稼いでいても、来年の収入と税金が不安で幸せを感じられない人を、僕は知っています。
教わったのは「幸せとは感情ではなく概念である」。アメリカの研究で感情を数えていくと109種類あったが、どこにも「幸せ」という感情はなかった。幸せは概念なので、感じようと思えばどんなタイミングでも感じられる。そのために先生が口を酸っぱくして言うのが現状感謝、今自分が持っているものに焦点を当てることです。交通事故で両足を失ったら、普通は「もう歩けない」と落ち込む。ユダヤ人は「両手がまだある」「命まで取られなかった」「相手も生きている」と、今あるものに焦点を当てる。「ないものに焦点を当てる人生はやめなさい。今あるものに焦点を当てることが、楽しく生きる秘訣であり、幸せを感じるコツだよ」。
幸せは遥か遠くにあるのではなく、足元や目の前にいっぱい転がっています。要は、それを見ようとして見られるかどうか。この土台の上に、6つの思考習慣があります。
- 【賢くなる習慣】天才ユダヤ人の思考習慣を徹底解説(YouTube「ゆだしん」)
- 【人生が変わる】劇的に頭が良くなるユダヤの習慣 3選(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。

