なぜユダヤ人は、お金ではなく「お金の知恵」を子どもに残すのか
多くの人はユダヤ人をお金儲けに特化した民族だと思っていますが、神光(ゆだしん)が教わったのは逆で、お金儲けは人生を生きるための一つの手段にすぎず、本当に重要なのは教育だ、ということでした。理由は歴史です。迫害され続け、命が簡単に奪われる時代が長かった。命が簡単に取られるなら、お金はもっと簡単に取られる。子どもにお金を残しても意味がなかった。だからお金そのものではなく、お金を稼げる能力、生きていく能力を残そうという発想になり、教育特化型の民族になりました。
目に見える財産はいとも簡単に奪われてしまう。しかし、私たちの頭の中にある知恵だけは誰にも奪うことができない。ユダヤの格言
残すのはテクニックではなく原理原則です。「この商品をここで仕入れてあそこで売る」といった方法は、30年後には通用しません。誰がいつどこでやっても同じ結果になる原理原則だけを、子どもに教え込みます。子どもへのお金の教育も、この延長にあります。
3歳から、タルムードの「物語」で教える
お金に困る人の共通点は、お金に対して無知なことだ、とユダヤでは言われます。動画の例えは、犬にドッグフードと1億円を見せたら、犬はドッグフードに行く、というもの。価値を知らなければ正しい判断ができない。ユダヤの子どもは3歳から、タルムードという本によって、お金や人間関係など、ありとあらゆることを教育されます。教え方は説明ではなく物語です。神光が動画で話した3つの話の要旨だけ記します(全文はそれぞれのページへ)。
- 王冠をかぶったスズメ:王様を助けた褒美に金の王冠をもらったスズメが、目立って狩られ、王冠を返して元に戻る。財産を手に入れても、見せびらかすと身を滅ぼす。
- 7匹の太った牛と7匹の痩せた牛:豊作の7年のうちに蓄えたから、その後の飢饉の7年をしのげた。豊かさの後には貧困が来る。良いときほど備える。
- 卵の運び方:卵を無事に運ぶ方法は、頑丈なかごでも布でくるむことでもなく、何度かに分けて運ぶこと。分散がリスクを最小にする。
スズメの話は、子どもにも大人にも効きます。見せびらかしたくなるのは、自分のやっていることが正しいか不安で、人に認めてほしいから。ユダヤが重視するのは、高級品で価値を付けることではなく、服を全部脱いでお風呂に入った状態で、自分自身にどれだけ価値があるかです。
お金の使い方は3つだけ:浪費・消費・投資
7匹の牛の話から教えるのが、お金の使い方の分け方です。お金を使うとき、選択肢は大枠で3つしかありません。
- 浪費:無駄遣い。絶対に必要ではないが、欲しいから買う(使わないマッサージチェアなど)。
- 消費:生活に必要なもの。家賃、食事。
- 投資:将来に対してお金を払い、将来対価を得るもの。株式だけでなく、自己投資もここに入ります。払った時点ではお金は減りますが、得たスキルや能力が将来、何倍にもなって返ってくる。
うまくいっているときほど、どれにお金を使うべきか。答えは投資です。調子に乗って、未来に時間と労力とお金を使わなければ、うまくいかない波が来たときに準備不足で破綻する。神光は、うまくいっていた時期に自己投資にかなりお金を使ったおかげで、売上が多少落ちてもゼロから新しいビジネスを作れる能力がつき、お金に困らなくなった、「あの時期に散財していたら、今うまくいっていなかった」と振り返っています。うまくいっている状態が永遠に続くことはない。だから波に備える。
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「分散こそ正義」。卵の話は、親が問いかけて子どもに答えを出させる
卵の運び方の話は、教え方そのものがユダヤ式です。母親は「どうしたら卵をちゃんと運べる?」と問いかけ、子どもが「かごを頑丈にする」「布で一つずつ包む」「慎重に運ぶ」と答えるたびに、却下します。何度も却下され、どこかで子どもが「何度かに分けて運べば絶対安全」と言ったら、「素晴らしい、その通り」と言って運ばせる。答えを教えず、自分でたどり着かせます。
この話から教わる原則は、全てに対してリスクを分散させておくことです。ただし、分けただけでは分散になりません。種類を分ける必要があります。暗号通貨を10種類持って「分散しています」と言っても、市場が崩れれば全部下がる。株・不動産・現金のように、種類の違うものを持って初めて分散です。大人向けの配分(安定・成長・リスクの口座を4:3:3に分ける話)はユダヤ人のお金の教えと卵の運び方に書いていますので、このページでは踏み込みません。
決まったお小遣いは与えず、「勝ち取らせる」
ユダヤの家庭には、決まったお小遣いも、誕生日やクリスマスのプレゼントも、お年玉も基本的にありません。神光がユダヤの先生に言われた言葉です。
親が子どもにあげるものはない。日本は何かにつけてあげすぎだ。親が子どもに無条件にあげるのは愛情だけで、他にあるとすれば、子どもが親から勝ち取るものだけ。勝ち取る能力をつけさせてあげるのが、一番の優しさじゃないか。ユダヤの先生の言葉
理由は、現実の社会がそうだからです。寝てゲームをして遊んでいて報酬がもらえることはないのに、家の中ではそれが起きている。無条件にもらえる環境では、自分の力で勝ち取るという習慣が育ちません。
代わりにユダヤ式ではポイント制度を使います。要旨だけ記すと、紙を4枚用意し、①子ども自身に「親にできるお手伝い」を書かせる(普段考えていないので驚くほど書けません)②やって嬉しいこと(ご褒美)を書かせる(こちらは無限に書けます)③ペナルティを親が書く ④集計する。お手伝いは労力・時間・リスクに応じてポイントを高くし、ご褒美はポイントと交換します。導入前に子どもと話し合って同意を取ること、そして無条件に与えることをきっぱりやめることが条件です。神光は「子どもが可愛くて何でも買ってあげたくなるのを断ち切るのに、一番勇気が要った」と話しています。回し始めると、子どもは「何をすれば人に喜んでもらえるか」を自分から考え、「こういうのをやってもいいですか」と手伝いを提案してくるようになる。手に入らないのは親がケチだからではなく、自分の頑張りが足りないからだと思えるようになる。これが究極の自立思考です。紙の作り方の詳細はお小遣いとポイント制度にまとめています。
目指すのは「お金持ち」ではなく「資産家」
神光がユダヤの師匠に教えられたのは、「お金持ちになる必要は全くない。君が本当になる必要があるのは資産家だ」でした。お金持ちとは、いとも簡単にお金がなくなる人。リーマンショックの前はあった、コロナの前はあった、というように、何かのきっかけで消える。資産家とは、10年前にお金があったなら、今も、10年後も20年後もあり続ける人。「どっちになりたいんだ」と聞かれ、神光は資産家と答えました。
スズメの話(見せびらかさない)、牛の話(良いときに備える)、卵の話(分散する)はどれも、稼ぎ方ではなく「資産管理」の話です。ユダヤ人は、そういう考え方を幼い頃から物語で渡しています。
お金は人生の一部。大人が、知っているか知らないか
最初に戻ると、ユダヤの教えで本当に重要なのは教育であって、お金は人生を生きるための一つの手段です。だからお金の教えは、学習や子育てや人間関係の原理原則と並ぶ、たくさんある原理原則のうちの一つとして渡されます。
そして、幼少期に教えられたかどうかはそれほど関係ない、と神光は言います。どのタイミングからでも、知ればその通りにしてうまくいける。才能ではなく、知っているか知らないか。子どもに渡す前に、まず大人が知る。それが順番です。
お断りしておくと、ここに書いたのは考え方であって、特定の投資先や利益を勧めるものではありません。ユダヤアカデミーでも投資の助言や収益の保証は行わず、「お金の原則」は原理原則を学ぶ教養として扱っています。
- 【お金の原則】ユダヤ人が3歳から教えられる究極の資産管理のストーリー3選(YouTube「ゆだしん」)
- 【ユダヤ流資金管理術②】お金が貯まらない人 これが出来てません(YouTube「ゆだしん」)
- 【ユダヤ式】子育ての原理原則part② 子供に〇〇を持たせよ(YouTube「ゆだしん」)
- 【5000年の歴史】ユダヤの成功マインド完全攻略(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。
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