タルムードの小話とは。読む前に知っておくこと
タルムードは、ユダヤ人が5000年かけて知恵を貯めてきた本です。中身は「誰がいつどこでやっても同じ結果になる原理原則」が、物語(小話)の形で書かれています。ユダヤの子どもは3歳で読み書きを覚え、13歳の成人までこの物語で学びます。
読み方に一つだけ約束があります。ユダヤの物語には「これを学べ」と決まった答えがなく、最終的に何を学ぶかは自分で決めるものだということ。ユダヤの親は子どもが答えを出しても「本当にそうなの?」「他には?」と問い返し続けます(この問答をハブルータと言います)。ここに書いた教訓は、神光がユダヤ人の実業家から教わった読み方です。ぜひ自分の答えも作ってみてください。
知恵の話(3話)
① ソロモン王とウィスダム
賢者ソロモン王に弟子入りした三人兄弟。3年待っても知恵(ウィスダム)を授けてもらえず、金貨100枚ずつを受け取って帰る。末の弟だけが金貨を返して知恵を求め、「日が落ちるまでに宿へ入れ」「増水した川は水が引くまで渡るな」「家に帰ったら妻に正直に話せ」の3つを授かる。金貨を急いで持ち帰った兄二人は山で凍死し、弟は無事に帰り、兄たちの金貨も、流された商人の金貨も手にした。
教訓:目に見える財産はいとも簡単に奪われるが、頭の中の知恵だけは誰にも奪われない。ここで言う知恵は「知識」ではなく、誰がいつどこで使っても同じ結果になる原理原則のこと。→ 全文は タルムードとは に。
② 魔法のザクロ
三人兄弟が、世界中を見渡せるガラスのコップ、空飛ぶ絨毯、世界に一つの魔法のザクロを手に入れ、コップで王女の病気を知り、絨毯で駆けつけ、ザクロを半分食べさせて王女を治す。王は「一人に王女を嫁がせる」と言い、王女は三人に「あなたの宝物は今も元のままですか」と聞く。コップと絨毯は元のまま。ザクロだけは半分になっていた。王女は末の弟を選んだ。
教訓:リスクとリターンは比例する。役に立った三人のうち、自分の宝を減らす危険を取ったのは弟だけだった。→ 魔法のザクロ
③ 青年アダムスの疑問
「なぜ神は良い人に不幸を、悪い人に幸せを与えるのか」。予言者エリシャの旅に「なぜと聞くな」の条件で同行した青年。貧しい夫婦の牛が死に、強欲な商人の庭木は直され、欲深い会堂は「全員が指導者に」と祝福され、貧しい会堂は「一人だけ指導者に」と祝福される。去り際にエリシャが明かす。牛は夫婦の命の代わりに死に、木の根元には金貨が埋まっていて、全員が指導者になる会堂は立ち行かなくなり、指導者が一人の村は栄える。
教訓:一つの出来事を一面だけで判断しない。角度を変えると意味が変わる(自立思考)。→ 全文は タルムードとは に。
お金の話(4話)
④ 王冠をかぶったスズメ
ワシの背から落ちそうになったソロモン王を、スズメたちが協力して助けた。褒美に「王様と同じ金の王冠」を望み、王の忠告を聞かずに王冠をかぶって飛び回ると、今まで誰にも狙われなかったスズメが猟師に狙われ、5羽まで減ってしまう。王冠を返すと、スズメ狩りはなくなった。
教訓:財産を手に入れても見せびらかすと身を滅ぼす。→ 王冠をかぶったスズメ
⑤ 7匹の太った牛と7匹の痩せた牛
エジプトのファラオの夢。7匹の太った牛を、後から来た7匹の痩せた牛が食べ尽くす。牢にいたジョセフが「7年の大豊作のあとに、それ以上の7年の大飢饉が来る」と解き、豊作の間に貯蔵させた。飢饉で周辺国が富を失う中、エジプトだけが凌いだ。
教訓:豊かさの後には必ず貧困が来る。うまくいっている時ほど備える(投資する)。→ 7匹の太った牛と7匹の痩せた牛
⑥ 卵の運び方
母親が子どもに「10個の卵をどうすれば割らずに運べる?」と問う。「カゴを頑丈に」「布に包む」「慎重に」はすべて却下。子どもがたどり着く答えは「何度かに分けて運ぶ」。
教訓:分散こそ正義。一度に運べば不測の事態で全部割れる。→ 卵の運び方
⑦ メロディを買った少年
結婚の道具を買う支度金を持って市場へ向かった青年が、羊飼いの美しいメロディを大金で買い、忘れてまた買い、続きを教わるために買った道具まで渡してしまう。正直に話すと娘の両親は怒るどころか「それでこそ娘の結婚相手」と褒めた。青年はやがてハープを奏で、多くの人を幸せにした。
教訓:お金も物も失われるが、体験と身についた技術は失われない。ユダヤの親は物を与えず、体験にはお金を使う。→ 全文は タルムードとは に。
物語の先にある「原理原則」を、動画で。
小話は結論だけが残ったものです。その元にある原理原則を7つのテーマに分けた集中講義(動画・全7講・仕事と学びの原則が中心)を、公式LINEに登録した方へその場で無料でお届けしています。
友だち追加だけ・無料。配信は1日1通まで。ブロックでいつでも解除できます
子育てと学びの話(3話)
⑧ キツネとブドウ畑
柵の隙間を通れない太ったキツネが、何日も空腹を我慢して痩せ、ブドウ畑に入る。食べ過ぎて腹がふくれ、今度は出られない。A:ブドウを吐き出す。B:猟師に見つかる危険を冒して痩せるまで待つ。さて、どちらを選ぶか。
教訓:この話の本題は答えではなく、ユダヤの親の問い方。「本当にそうなの?」と問い返して、A・B以外の答えを子どもに作らせる。→ キツネとブドウ畑
⑨ 賢者と釣り竿(魚を与えるな)
飢えた村に、一人の賢者は魚を与え続け、もう一人の賢者は釣り竿の作り方と使い方を教えた。数年後、魚をもらい続けた村は、魚が尽きたとき賢者を恨みながら滅び、釣り方を教わった村は栄えていた。
教訓:魚ではなく釣り方を渡す。無条件に与え続けると、もらえなくなった瞬間に恨みに変わる。→ ユダヤ式子育て(ポイント制度)
⑩ 兵士とパスポート
収容所から脱走したラビが、国境へ向かうバスの検問で「全員パスポートを掲げろ」と言われる。何も持っていない。2〜3分で頭をフル回転させ、周りの乗客のパスポートを集めて兵士に差し出し、「後部座席の分をお持ちしました。お勤めご苦労様です」。協力者と勘違いした兵士はそのまま降りていった。
教訓:人は追い詰められたときに頭が高速で回る。だから自分をあえて逆境に置く習慣を持つ。→ 全文は タルムードとは に。
生き方の話(3話)
⑪ 悪魔と助産婦
夜道で死にかけた子猫を助けた助産婦に、子猫(悪魔)が忠告する。「他の悪魔があなたを呼び、信じられない報酬を渡す。受け取ればあなたも悪魔になる。正当な対価だけ受け取れ」。数か月後、城主に呼ばれて出産を助け、一生分の金貨を差し出されるが、1枚だけ受け取る。城主は正体(悪魔)を現し、「お金に誘惑されない人間がいることを初めて知った」と消える。数年後、収入の10分の1の寄付をしていない男が同じ悪魔に会い、「寄付をしないなら悪魔の世界に引きずり込まれる」と忠告される。
教訓:寄付をしない人は強欲になる。ユダヤ人が収入の10分の1を寄付するのは、現状に感謝できるようになるため。→ ユダヤ人のお金の教え
⑫ 神と交渉した男
「この町は悪人に満ちているから焼き尽くす」と言う神に、男が交渉する。「善人が50人いても全員殺すのですか」。神は「50人いるなら見逃そう」。「では40人なら」「30人なら」。最終的に、善人が10人いれば町を焼かないという約束を取り付けた。
教訓:ユダヤ人は神様とすら交渉すべきだと教える。積極的な人間が全ての旨味を持っていき、消極的な人間には何も残らない。→ ユダヤ人はなぜ成功するのか
⑬ デボラの話(理不尽に反抗する)
結婚の前日に、天使が相手を連れ去ってしまう。二人目も、三人目も同じ。三度目にデボラは天使に食ってかかった。「聖書には愛する者たちは共にいると書かれている。そんな理不尽なことをするなら宗教裁判にかけてやる」。天使は神に相談し、神は「そこまで言うなら返してやりなさい」。三人目の相手は戻り、デボラは幸せに暮らした。
教訓:相手が神様だろうが誰だろうが、理不尽なことを素直に受け入れずに反抗する。賢さは、自分の頭で考えて動く反抗精神から生まれる。→ ユダヤ式思考法
小話の使い方。家庭で、職場で
ユダヤの親は、これらの話を読み聞かせて終わりにしません。「キツネはどちらを選んだと思う?」「本当にそれでいい?」「他の方法は?」「もし違う立場だったら?」と、答えが出ても問い返します。日本の「Aがいい人、手を挙げて。なぜ?」で終わる教え方を、ユダヤ人は「それでは何の意味もない」と言います。
大人が自分で学ぶときも同じです。一度で全部を理解しようとせず、2回3回と読み直して、自分ならこの話から何を学ぶかを考える。復習は暗記のためではなく、新たな発見のためにある。それがタルムードの学び方です。
- ユダヤの子供が3歳から受ける英才教育3選【タルムード】(YouTube「ゆだしん」)
- 【全人類が成功できる】ユダヤ人が3歳から学ぶタルムードの成功習慣(YouTube「ゆだしん」)
- 【お金の原則】ユダヤ人が3歳から教えられる究極の資産管理のストーリー3選(YouTube「ゆだしん」)
数字について:人口0.2%(約1,580万人・2024年)はヘブライ大学 S. デラペルゴラ教授の推計、ノーベル賞受賞者の約2割は Jewish Virtual Library の受賞者一覧の集計です。動画で話している「世界の富の40%」「アカデミー賞の37%」などは集計によって数値に幅があるため、このサイトでは出典を確認できる数字だけを使っています。


